具だくさんのお味噌汁があれば大丈夫!
友人に貸していただいた本。ほぼ1日で一気読みしました。
「一汁一菜でよいという提案」土井善晴さん著
NHK「きょうの料理」に出ている方、という認識しかなかったけれど。色々な側面から、懐石料理などの「ハレ」の食に対極にある、「ケ」の食の大切さを教えてくれる、とても素晴らしい本でした。
食べることこそが身体を作り、命をはぐくむ。毎日の食事は、美味しすぎること、奇抜なことは必要ない。安心できること。変わらないことの繰り返し。
そして日本ならではの、旬のものを取り入れること。野菜、発酵食品(味噌や納豆など)が中心の日本人に合った食の在り方を教えてくれました。
そして!いいなーと思ったのが、タイトルにある「一汁一菜」。お味噌汁を具沢山にすれば、一汁=一菜を兼ねてくれますよ、という提案と、土井さんご本人の飾らない毎日のおみそしる写真!
最後に食べたいものは何ですか?という問いの答えには迷ってしまうけれど。お味噌汁と白いごはん、梅干し、に勝るものはないかもしれないな、と改めて思ったりしました。
最近気に入っているおみそしるの具は、ブリを薄めに切ってキノコなどと合わせたちょっと豪華バージョン。あとは、残り物のサツマイモを入れたもの。立派なナメコを見つけたときの、豆腐と赤みそのおみそしるも好き。
腑に落ちるような毎日
11月が始まった最初の日曜日。雲は多いけど雨予報はなし。朝晩はひんやりして、少し空気が乾燥しはじめたけれど、花粉症もないし日焼けも気にならない、一年のなかで落ち着いて過ごしやすい季節。
夫と別れてもうすぐ半年。別居しはじめた期間も数えるともう少し長め。毎日気を遣いあう、守るべき、ケアするべき人がいない気楽さと自由、寂しさにだいぶ慣れてきた気がする。
まだ淋しいときはあるけれど。ひとりぼっちで立ちすくんでいるような。
喪失感とか、惨めさ、やるせなさはだいぶ薄れてきた。でも次の人を探さなきゃ、探したいなという気持ちは変わらず。
焦らないようにしよう、とおもうけれど。でもゆっくりしている時間は、あまりない。
今朝朝ご飯を食べながら、テレビを横目で見る、というお休みの日らしいゆっくり時間。
女優の貫地谷しほりさんが、最近は充実していますか?と聞かれて、
「・・嫁に行けたので」と笑った後に、
腑に落ちるように、毎日を過ごしていきたい、と。
いい言葉だな、と思った。ジョブズのスピーチ「今日が人生最期の日だったとしたら」とつながっているけれど、腑に落ちる、の方がもう少しやさしくて切迫感はない。
今日という日はもう来ないし、今の時間が一番若い。だからこそ、過去を悔やむでも未来を不安がるでもなくて、只、今に向き合う。
明日はマインドフルネスの二回目の研修会。
7月7日からの毎日、マインドフルネス瞑想はできたりできなかったり。今もたくさん妄想は入り込むけれど。毎日が鍛錬。精進。
悲しいときは
悲しいときは泣いてよし
涙は心の目を洗う
(近所のお寺の張り紙より)
昨日は久しぶりにカウンセラーの方に会いに。結婚当初に夫の鬱が再発した時から、かれこれ四年以上、2,3ヶ月に一度くらいお会いして、お話しを聞き続けていただいた方。
大体が少し落ち着いたカフェでの面会なのですが、多分毎回泣いていた私の、不安と不満と悲しさ、やるせなさでこんがらがった心と頭を、ほどいて整理して、方向性を示してくれた方。
昨日の面会でも、私はやはり初めの方から泣いてしまった。夫と別れてしまったことも、この5年間に起きたことも苦しいし悲しい。でも、もう今更どうしようもない。
時間は巻き戻せないし、二人の関係も、元夫との価値観の違いも、仕方ない。頭では分かっているけど、顔を見ると辛くなる。
二週間ぶりに、荷物の整理で元夫の家に行って、少しご飯を作ったり片付けをしたりしたけれど。完全に夫の扉は閉ざされていて、会話も弾まないし、なにを聞いても「うーん」と言うばかり。もう私の場所はここにはないんだな、元夫にとって私はしんどい存在なんだなということを実感してしまった。
終わっていくって、こういうことなのかな。
決める力
人はみんな、道はたくさんあって、自分で選ぶことができると思っている。選ぶ瞬間を夢見ている、と言ったほうが近いかもしれない。
私も、そうだった。
しかし今、知った。はっきりと言葉にして知ったのだ。
決して運命論的な意味ではなくて、道はいつも決まっている。毎日の呼吸が、まなざしが、くり返す日々が自然と決めてしまうのだ。
(吉本ばなな「満月」)
たぶん高校生、もしかしたら中学生の時に出会って、好きで好きで、繰り返し読み過ぎて、フレーズや言葉が染み込んでしまったような小説。
改めてとても久しぶりに読んで、上の部分がとくに響いた。
今回、夫と離婚することを決めたとき、もう最後には、全部の矢印が一つの道だけを指し示しているように感じた。
結婚した、婚姻届を出しにいった日から、ずーっと離婚するかもしれない、という暗い予言のようなものが自分の中にあった。でもそれに抗い続けて、気づかない振りをしたりしていた。
しんどかったな、苦しかったな。もちろん幸せだったこと、楽しくて嬉しかったこともあったけど、なんだか背負っていたものからさよならして、ほっとしたのは事実。
決めることができて、本当によかった。ずっと迷って悩んで、でも自分で決めて動けてよかった。
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失恋から立ち直る方法
時間。時間が忘れさせてくれる。
彼の写真をみたときに、「・・・ダサい」と思えたら、もう失恋からは立ち直っている。かっこいいなーと感じるうちは、まだダメかな。
窪美澄さんの新作「トリニティ」の刊行記念の、本屋B&Bのイベントにて。ノンフィクション作家の梯久美子さんとの対談での、迷える女性へのアドバイス。
聞き上手同士の、お二人の小気味よい対談が、楽しくて、また身につまされる部分も多くて、あっという間に時間が過ぎた。なによりお二人の声や、話すテンポが好きだった。
自分の悩みも、質問してみた。
「経済的に女性が自立し、選択肢の多い今、どうしたら幸せになる道を見いだすことができますか?」
窪さんのお答え。まずは健康とお金。他は(男は)後からついて来ます。
その通り!と思った。稼ぐ力をちゃんと持ちたい。
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